芝刈り
芝刈りのやりかたと頻度
芝刈り機の登場
ヒツジ
芝刈りの最も伝統的な方法は羊に芝を食べさせることです。舌を草に巻き付けて引きちぎる牛と違い、羊は短い草を好むため芝生に最適です。そもそも、羊の放牧地を庭園やスポーツに利用したのが芝生なのです。
しかし、一般のご家庭で羊を飼うのは大変です。このため、芝生が都市の庭園に普及してくると、鎌で芝刈りをするようになりました。
今でも、フランスのパリ公文書館など、羊で芝刈りを行っている例もあります。
ヤギは樹木も食べるため、庭園には向きません。
ハサミや鎌
羊を飼うことができない場合に、柄付きの鎌を使う方法はありますが、効率が悪く体力を消耗するため、おすすめできません。芝生の端など芝刈り機が使えない場所のみ、ハサミや鎌を使うと良いでしょう。
鎌ではあまりにも大変です。イギリスの中産階級では、使用人はメイド1名程度が普通でしたし、アメリカでは労働力が不足気味だったためメイドを雇う家も少なく、もっと容易に芝を刈る方法が求められました。芝刈り機の登場です。
芝刈り機
芝刈り機は、1830年代にアメリカのサイラス・マコーミックにより開発されました。元々農業用刈取機の親類で、小型の物は人力で動きますが、大型の物は馬に引かせていました。こうして、中産階級や庶民の庭でも芝刈りは簡単にできるようになったのです。
今では、羊を使うごく限られた庭園・公園を除き、ほとんどの芝生は芝刈り機で刈られています。
芝刈り機の種類
芝刈りには、専用の芝刈り機がお勧めです。芝刈り機も様々な製品がありますが、安価なものは1年程度で故障したり、切れ味が悪くなったりします。予算が許せば、多少高価ですが5万円前後の製品を買うほうが良いでしょう。
普通の庭なら、手押し式の芝刈り機で十分です。芝刈り機も使っているうちにだんだん痛むので、概ね2年に一度は工場で点検・整備すると良いでしょう。丁寧に使えば軽く10〜15年は使えます。
芝刈りの頻度は、高麗芝の粗放型管理なら年1〜2回で十分です。高麗芝の短め管理では、成長期に月1〜2回、西洋芝の場合、生育期には1〜2週間に1回(月2〜4回)の芝刈りが必要です。西洋芝を刈らずに放置すると花が咲き、花粉症の原因になるため、必ず芝刈りをしましょう。
手押し式リールモア
小規模な芝生に適する芝刈り機です。エンジンを持たないため、燃料や電気コードが要らず、価格も良い物でも5万円前後と手頃です。
長く伸びた芝はうまく刈れないという欠点があります。
手持ちバリカン
芝生の端の部分に適する小型の芝刈り機で、充電式またはコード式。長く伸びた芝も刈れますが、作業速度は遅めです。
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高麗芝粗放型管理
草屋根(高麗芝粗放型管理)では、年1回冬(1〜2月)に枯れた芝を刈り取ります。長く伸びた芝が手押し式芝刈り機では刈りにくい場合は、動力式芝刈り機を用意するか、専門業者に依頼しましょう。
地上部が枯れた期間に刈り込むため、一度に短く刈っても問題ありません。
西洋芝の場合、芝刈りを怠ると病虫害が頻発するので、粗放管理には適しません。
短め管理(高麗芝・西洋芝)
芝の長さが5cmを超えたら、2〜3cmに刈ります。
環境により異なりますが、概ね、高麗芝の場合、3〜7月・9〜10月に月2回、8月に1回芝刈りをします。(年15回前後)
西洋芝の場合、春と秋の生育期(3〜7月・9〜10月)は月4回。夏と冬(8月・11〜2月)は月1回となります。(年33回前後)
ゴルフ場のグリーンは、ベント芝という特別な種類を使い、年300回前後(生育期は毎日)芝刈りします。
西洋芝の夏の管理
酷暑により冬芝が弱るので、2cm程度に短く刈ってやり、風通しを良くします。
長く伸びた芝は2回に分けて
芝が長く伸びている場合、一度に刈り込むと枯れる場合があります。まず芝の1/3ほどを刈り(2/3は残す)、1週間〜10日後に、もう一度芝刈りをしましょう。
刈りすぎに注意
芝を刈るとき、あまりに短く刈ってしまうと、このように地上部が枯れてしまいます。芝刈りをするときは、茎ばかりにならないように長めに刈り、短い芝にするときは何度か長さを1/3づつ刈ることで徐々に低くしましょう。
よく切れる刃物を
切れ味の悪い刃物を使用した場合、切り口が引きちぎったようになり、部分的に枯れるため、芝生の見た目がきたなくなります。芝刈りにはよく切れる刃物を使いましょう。
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動物による芝刈り
イギリスでは、羊の放牧地を、そのまま芝生として利用していました。
羊を飼うことにより芝生を短く保つことができます。学校などでは児童生徒の教育上も好ましい効果が期待できます。牛は、あまり短い草を食べることはできないため、芝生の管理には向きません。また、山羊は草よりも樹木を好むようです。
動物を飼育する場合は、信頼できる専門家と緊密に連絡を取るとともに、最後まで面倒を見るようにしてください。
鹿による芝刈り
奈良では鹿が芝刈りをしています。
兎による芝刈り
兎も芝生を好んで食べます。ですが、芝生を掘って穴を開ける(うさぎのストレス解消には役立ちます)ことがありますから、「芝生を刈るために兎を飼う」というより「うさぎを楽しませるために芝を植える」くらいの気持ちで居た方が良いでしょう。
猛禽類や烏・猫などが兎を襲うことがあるので、十分注意してください。
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