草屋根
夏は涼しく、冬は暖かい、草屋根をどうぞ北欧生まれの草屋根は、屋根を草原にすることにより、室内は夏涼しく冬暖かくなり、建物の寿命を延ばすこともできます。
特に、鋼板屋根の住宅では、草屋根により、夏場の耐えられない暑さを和らげることができます。
カンボーの草屋根
カンボーの草屋根は、傾斜屋根基本仕様で40kg/m2と超軽量で、建物の特別な補強無しで施工できます。また、既存建築物の緑化も可能です。
(保水力が低いため灌水が必要です。弊社では自動灌水装置の設置を推奨しています)
土壌を使用した草屋根は、土だけで概ね10cm以上の厚さが必要です。さらに、保水能力を持たせた場合、重量は軽く100kg/m2に達します。改築では屋根が落ちますし、新築でもコストがかさみます。
自動灌水装置の設置を考慮し、高い排水性を確保しているため、根腐れは起きません。
対応する屋根
屋根の材質
コンクリート陸屋根・折板屋根・鋼板屋根いずれも直接緑化可能です。
また、屋根を防腐合板とし、屋上緑化対応防水を施工することもできます。
瓦屋根は、瓦を撤去する必要があります。
屋根の傾斜
20°までは問題なく施工できます。
30°までは滑落防止措置を行えば施工可能です。
(30°以上の急傾斜は、メンテナンス時に滑落事故の危険が増すため、お勧めしません。)
材料販売
資材のみの販売も行っています。
お気軽にご相談ください。
(施工時は、防水層の破損・パラペット廻りからの漏水に十分ご注意ください。)
草屋根の仕様
芝の種類
高麗芝(ヒメコウライシバ・TM9)・西洋芝(ロール芝)双方に対応。
(TM9は登録品種であり、在庫がない場合は受注生産となります。ノシバ・チガヤも可能ですが受注生産となります。)
頻繁に刈り込めば芝生に、水だけやれば草原になります。
植栽基盤
BLグリーンマットとなります。
芝生用培養土を使用することも出来ますが、厚さ・重さとも増加するため、十分な建物強度が必要です。
また、傾斜に制限があります。
見切り
芝生の外側はアルミアングルです。色は金属色かブロンズで、特注色として黒も可能です。
屋根一体型の桟木を使用することもできます。
陸屋根では、れんが・木材なども可能です。
おもな仕様
工法は、陸屋根仕様、傾斜屋根仕様、ガルバニウム鋼板など鋼板屋根仕様と、条件に合わせ各種用意できます。
工法記号 | 屋根形状 | 土壌 | 植栽 | 厚さ | 重量 | 設計価格 | 特徴 |
TLC06-ZS | 陸屋根 | BLグリーンマット | 高麗芝 | 70o | 40kg | 18,800円 | |
TLC06-CT | 西洋芝 | 80o | 50kg | 24,800円 | |||
TLC10-ZS | BLグリーンマット | 高麗芝 | 50o | 36kg | 18,800円 | 小面積用 | |
TLC10-CT | 西洋芝 | 60o | 46kg | 24,800円 | |||
TSC12-ZS | 芝生用培養土 | 高麗芝 | 80〜 | 50〜 | 18,800〜 | ||
TSC12-CT | 西洋芝 | 90〜 | 60〜 | 24,800〜 | |||
TLF09-ZS | 折板屋根 | BLグリーンマット | 高麗芝 | 90o | 50kg | 27,800円 | |
TLF10-ZS | 高麗芝 | 70o | 46kg | 27,800円 | 小面積用 | ||
TLS10-ZS | 傾斜屋根 | BLグリーンマット | 高麗芝 | 50o | 36kg | 21,800円 | |
TLS10-CT | 西洋芝 | 60o | 50kg | 27,800円 | |||
TSS12-ZS | 芝生用培養土 (緩傾斜専用) | 高麗芝 | 80〜 | 50〜 | 21,800〜 | ||
TSS12-CT | 西洋芝 | 90〜 | 60〜 | 27,800〜 |
培養土タイプは、建物強度に合わせ土壌厚が可変です。
草屋根の歴史
草屋根(Sod Roof)は、古代のスカンジナビアで開発された工法です。耐久性の高い樺の皮で屋根を葺き、その上に草原を土ごと切り出して並べます。土の層が断熱材となり、冬の寒さから家を守ります。
スカンジナビアは、海流の影響で乾期がないため、15cm程度の土の層があれば、ほぼ無潅水で草屋根を維持できます。
灌水装置の勧め
日本では、夏と冬に雨が少ないため、潅水装置の設置を強くお勧めします。
灌水管理に失敗したセダム・マツバギク緑化 |
潅水装置を設置せず、セダムなどの多肉植物を植える工法もありますが、冷却効果が低くなる上、夏期に蒸れて枯れる危険があるため、草屋根をお勧めします。
植物は、蒸散により屋根を冷やします |
潅水装置を設置することにより、草屋根の厚さを大幅に薄くすることができます。これにより、植物の蒸散による強力な冷却効果で、直接部屋を冷やすことができます。
また、冬には断熱効果により、放射冷却による底冷えを緩和します。
草屋根の管理
芝が枯れる冬には、他の植物が目立ちます。 |
徐々に草原に移行
完成したばかりの草屋根は、芝生しか生えていませんが、やがて、風に乗ったり、鳥が運ぶことにより、さまざまな植物が屋根に根を下ろし、草原となっていきます。
また、レンゲ・クローバー・コスモスなどの種を蒔けば、花を楽しむこともできます。
背の低い芝生の状態(芝屋根)を維持したい場合は、雑草が伸びないように芝刈りをしてください。
日常のお手入れ
自動潅水装置があれば、日常のお手入れは、一切不要です。水道代の目安は、50m2の草屋根で、年2万円程度です。
なお、普通のエアコンは、1台で年1〜2万円の電気代が必要ですが、草屋根にすることで、エアコンの使用回数は大幅に削減[1]できます。
- [1]大幅に削減
- 温度が上がりやすい京都盆地でも、1夏にエアコンを1回しか使わずに済んだ例もあります。
ヒートアイランド現象の激しい大阪都心部でも、昼に建物本体がため込む熱が大幅に減るため、エアコンの効きが飛躍的に向上し、昼にエアコンを付けっぱなしにする必要は無くなりました。
ただし、寒暖の感覚は個人差が大きいため、弊社ではエアコン不要を保証することはできません。
年1回程度のメンテナンス
土の代わりとなる植栽基盤「BLグリーンマット」が徐々に分解するので、年1回程度、屋根10m2につき1袋の「BLパウダー」を撒いてください。
また、樹木が生えていた場合は、切り倒してください。
芝(高麗芝)以外の草屋根
チガヤ(Imperata cylindrica (L.) P.Beauv.) 芝生よりもかなり割高になりますが、チガヤを植えることも出来ます。 | |
草原植栽マット 本格派草原型ビオトープ用に、最初から草屋根にふさわしい植物を植え込んだマットです。これを使えば即座に草屋根が完成しますが、マット自体の納期が1年以上必要です。 |
草屋根の耐久年数
別途、弊社推奨の防水工法を使用した場合、防水層のメーカー保証は10年間となりますが、防水層が温度変化や紫外線から保護されるため、30年程度は保つと考えられます。
植栽基盤は徐々に分解しますので、1〜数年に一度BLパウダーを補充してください。
防水工事と屋上緑化は、大阪府守口市の(株)カンボーまで
カンボー都市緑化研究所〒 570-0015 大阪府守口市梶町4-12-5 お問い合わせ