つる植物(木本編)
都市緑化の頼もしいパートナー、つる植物
入手の容易な在来植物
在来種を植えることで、より自然に近い緑化が可能です。これらの植物は園芸化されており、容易に苗が入手できます。
種名 | フジ(マメ科) | |
学名 | Wisteria floribunda DC. | |
登攀型 | 巻きつき | |
特性 | 落葉樹 | |
植栽適地 | 沖縄〜東北・陽地 | |
成長速度 | 1〜3m/年 | |
用途 | 花を観賞(5月ころ) | |
入手 | 小苗 | |
一度根が張ると成長は速く、最大で幹の直径が50cm以上になり、1株で半径20〜30mを緑化可能です。花は観賞用となり、園芸品種では花序の長さが2mに達するものもあります。 | ||
種名 | ツタ(ブドウ科) | |
学名 | Parthenecissus tricuspidata Planch. | |
登攀型 | よじ登り(吸盤・気根) | |
特性 | 落葉樹 | |
植栽適地 | 沖縄〜東北・陽地(半日陰も可) | |
成長速度 | 1〜2m/年 | |
用途 | 葉を観賞 | |
入手 | 小苗 | |
成長は比較的早く、秋の紅葉が美しい。ブドウの仲間ですが実は食用にされません。 落葉樹なので「ナツヅタ」とも言います。半日陰でも育ちますが、秋の紅葉は陽地の方が美しくなります。 | ||
種名 | テイカカズラ(キョウチクトウ科) | |
学名 | Trachelospermum asiaticum Nakai | |
登攀型 | 巻きつき/よじ登り(気根) | |
特性 | 常緑樹 | |
植栽適地 | 沖縄〜東北・陽地〜日陰 | |
成長速度 | 0.5〜1m/年 | |
用途 | 花を観賞(5月頃) | |
入手 | 長尺苗あり | |
晩春に白い花が咲きます。耐陰性が強く日陰にも耐えますが、日陰では花が咲きません。 ニシキテイカやハツユキカズラなどの園芸品種も出回っています。 | ||
種名 | ツルマサキ(ニシキギ科) | |
学名 | Euonymus fortumei Hand.-Mazz. ver radicans Rehd. | |
登攀型 | よじ登り(気根) | |
特性 | 常緑樹 | |
植栽適地 | 沖縄〜東北・陽地〜半日陰 | |
成長速度 | 0.3〜0.5m/年 | |
用途 | 葉を観賞 | |
入手 | 小苗。園芸品種あり | |
成長は比較的遅く、ブロック塀など小面積の緑化に向きます。 耐寒性が高く、仙台付近でも緑化可能です。 園芸品種も出回っています。 | ||
種名 | オオイタビ(クワ科) | |
学名 | Ficus pumila L. | |
登攀型 | よじ登り(気根) | |
特性 | 常緑樹 | |
植栽適地 | 沖縄〜本州南部・陽地〜半日陰 | |
成長速度 | 0.3〜0.5m/年 | |
用途 | 葉を観賞 | |
入手 | 小苗。園芸品種あり | |
成長は比較的遅い。 斑入りのものが「プミラ」という名で、園芸用に流通しています。 | ||
種名 | スイカズラ(スイカズラ科) | |
学名 | Lonicera japonica Thunb. | |
登攀型 | 巻き付き | |
特性 | 常緑樹 | |
植栽適地 | 沖縄〜東北・陽地 | |
成長速度 | 1〜3m/年 | |
用途 | 花を観賞(梅雨頃) | |
入手 | 長尺苗あり | |
常緑樹としては耐寒性が強く、盛岡付近にも分布しています。 | ||
種名 | アケビ(アケビ科) | |
学名 | Akebia quinata Decne. | |
登攀型 | 巻きつき | |
特性 | 落葉樹 | |
植栽適地 | 沖縄〜東北・陽地 | |
成長速度 | 0.5〜1m/年 | |
用途 | 果実を食用 | |
入手 | 長尺苗あり | |
葉は5枚の小葉からなります。 果実は食用になります。果樹として販売されています。 | ||
種名 | ミツバアケビ(アケビ科) | |
学名 | Akebia trifoliata | |
登攀型 | 巻きつき | |
特性 | 落葉樹 | |
植栽適地 | 沖縄〜東北・陽地 | |
成長速度 | 0.5〜1m/年 | |
用途 | 果実を食用 | |
入手 | ||
葉は5枚の小葉からなります。 果実は食用になります。成長は比較的遅め。耐寒性が高く、仙台付近でも緑化可能です。果樹として販売されていますが、「アケビ」という札が付いていることもあります。 | ||
種名 | ムベ(アケビ科) | |
学名 | Stauntonia hexaphylla Decne. | |
登攀型 | 巻きつき | |
特性 | 常緑樹 | |
植栽適地 | 沖縄〜東北・陽地〜日陰 | |
成長速度 | 0.5〜1m/年 | |
用途 | 果実を食用(秋) | |
入手 | 長尺苗あり | |
葉は6枚前後の小葉からなります。 実が食用となります。大阪付近の山野に多数生育しています。果樹として販売されています。 耐陰性が強く日陰でも育ちますが、日光がないと花は咲きません。 | ||
種名 | サネカズラ(マツブサ科) | |
学名 | Kadsura japonica Dunal | |
登攀型 | 巻きつき | |
特性 | 常緑樹(一部落葉樹) | |
植栽適地 | 沖縄〜東北・陽地・半日陰 | |
成長速度 | 1〜2m/年 | |
用途 | 果実を観賞 | |
入手 | 長尺苗あり | |
半日陰でも旺盛に生育しますが、日陰では花は咲きません。秋に赤い実が付き観賞用になります。 中世には男性用整髪料に使われたため「ビナンカズラ」とも言います。 |
園芸植物
園芸植物は入手が容易で栽培も比較的簡単です。
種名 | ハゴロモジャスミン(モクセイ科) | |
学名 | Jasminum polyanthum Franch. | |
登攀型 | 巻きつき | |
特性 | 常緑樹 | |
植栽適地 | 沖縄〜本州南部・陽地 | |
成長速度 | 1〜2m/年 | |
用途 | 花を観賞(4〜5月頃)・芳香あり | |
入手 | 小苗・長尺苗あり | |
中国南西部原産。匂いの強い花が多数咲きます。香料ジャスミンの原料ソケイと同属です。 成長速度は比較的早く丈夫です。葉は上に集中し、下方は茎だけになります。 カロライナジャスミン(マチン科)やマダガスカルジャスミン(キョウチクトウ科)は、まったく違う仲間です。 | ||
ハゴロモジャスミンは、香水の原料になるソケイ Jasminum grandiflorum L. や、マリファナ茶(茉莉花茶)に使われるマツリカ Jasminum sambac (L.) Aiton (右写真)の仲間です。ただし、これらは熱帯植物ですから、日本では温室が必要です。 | ||
種名 | カロライナジャスミン(マチン科) | |
学名 | Gelsemium sempervirens L. | |
登攀型 | 巻きつき | |
特性 | 常緑樹 | |
植栽適地 | 沖縄〜関東・陽地〜半日陰 | |
成長速度 | 0.5〜1m/年 | |
用途 | 花を観賞 | |
入手 | 小苗・長尺苗あり | |
北米南部〜中米原産。春に黄色い花が咲きます。生物学的にはジャスミンとはまったく違う植物で、正倉院に納められていた冶葛と同属です。 ジャスミンティーには使えません。 | ||
種名 | アイビー(キヅタ園芸種・ウコギ科) | |
学名 | Hedera spp. | |
登攀型 | よじ登り(気根)/下垂 | |
特性 | 常緑樹 | |
植栽適地 | 沖縄〜東北・半日陰(陽地も可) | |
成長速度 | 0.5〜2m/年(品種により多様) | |
用途 | 葉を観賞 | |
入手 | 一部の種は長尺苗あり | |
この仲間には多数の園芸品種があります。重くなりすぎるとはがれ落ちる場合がありますので、背の高い直接緑化では落下防止にBLネットを張るとよいでしょう。 地中海地方原産のヘデラヘリックス(Hedera helix L.)や、野良犬諸島(アフリカ・モロッコ沖の島)原産のヘデラカナリー(Hedera canariensis)が有名。 | ||
種名 | ノウゼンカズラ(ノウゼンカズラ科) | |
学名 | Campsis grandiflora K.Schum. | |
登攀型 | よじ登り(気根) | |
特性 | 落葉樹 | |
植栽適地 | 沖縄〜東北・陽地 | |
成長速度 | 1〜2m/年 | |
用途 | 花を観賞 | |
入手 | 小苗 | |
中国原産。夏に鮮やかな赤や黄色(まれに紫など他の色もあります)の花を咲かせます。成長は早く、地下茎でどんどん殖えます。 | ||
種名 | ブドウ(ブドウ科) | |
学名 | Vitis spp. | |
登攀型 | 巻きひげ | |
特性 | 落葉樹 | |
植栽適地 | 北九州〜北海道(品種による) | |
成長速度 | (品種による) | |
用途 | 実を食用 | |
入手 | 果樹用苗 | |
古くから中近東で食用・酒用に栽培されてきました。 ヨーロッパではワインの原料にされます。中近東原産のヨーロッパブドウ(Vitis vinifera)や北アメリカ原産のアメリカブドウ(Vitis abrusca)などいくつかの種があります。 |
野生植物
自然の山野によく見られる植物です。あまり栽培されておらず苗の入手が困難なものもあります。
種名 | イタビカズラ(クワ科) | |
学名 | Ficus nipponica Fr. et. Sav. | |
登攀型 | よじ登り(気根) | |
特性 | 常緑樹 | |
植栽適地 | 沖縄〜本州南部・陽地 | |
成長速度 | 0.5m/年 | |
用途 | ブロック塀や石垣の被覆 | |
入手 | ||
イチジクの仲間です。成長は遅いものの、吸着力が強く、日陰にも耐えます。また着実に成長するため、概ね20〜30m(5〜7階)の高さまで緑化可能です。 同属のオオイタビも類似した特性を持ち、混同されていることもあります。 | ||
種名 | イワガラミ(ユキノシタ科) | |
学名 | Schizophragma hydrangeoides Sieb,et Zucc. | |
登攀型 | よじ登り(気根) | |
特性 | 落葉樹 | |
植栽適地 | 九州〜北海道・陽地 | |
成長速度 | 0.5〜1m/年 | |
用途 | 花を観賞 | |
入手 | ||
アジサイの親類で、梅雨時に白い派手な花が咲きます。装飾花の花びら(生物学的には花弁ではなく萼)は1枚。似た種類にツルアジサイがありますが、こちらは比較的寒い地方に見られ、花びら(こちらも正体は萼)が4枚あります。 | ||
種名 | キヅタ(ウコギ科) | |
学名 | Hedera rhombea Bean | |
登攀型 | よじ登り(気根) | |
特性 | 常緑樹 | |
植栽時期 | ||
成長速度 | m | |
用途 | ||
入手 | ||
日本に自生する「アイビー」の仲間です。 | ||
種名 | クズ(マメ科) | |
学名 | Pueraria thunbergiana Benth. | |
登攀型 | 巻きつき | |
特性 | 落葉樹 | |
植栽適地 | 九州〜北海道・陽地 | |
成長速度 | 2〜10m/年 | |
用途 | 土木用・大面積被覆 | |
入手 | ||
最も成長が早く、畜舎・倉庫・擁壁・砂防ダムなど大規模施設の緑化に適します。鉢ではあまり大きくなりません。 冬枯れが見苦しくカメムシが発生するという欠点があります。 | ||
種名 | アオツヅラフジ(ツヅラフジ科) | |
学名 | Cocculus trilobus (Thunb.) DC. | |
登攀型 | 巻きつき | |
特性 | 落葉樹 | |
植栽適地 | ||
成長速度 | m | |
用途 | 果実を観賞(秋) | |
入手 | まれに盆栽店 | |
雄と雌があり、雌は秋に青紫の実が付きます。盆栽に使われることもあります。 | ||
種名 | サカキカズラ(キョウチクトウ科) | |
学名 | Anodendron affine (Hook. et Arn.) Druce. | |
登攀型 | 巻きつき | |
特性 | 常緑樹 | |
植栽適地 | 暖地。沖縄〜本州南部 | |
成長速度 | 年3mくらい? | |
用途 | 花(春)・果実(夏)を観賞 | |
入手 | ||
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