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都市緑化Q&A

 都市緑化に関する疑問を一挙解消

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屋上緑化の効果

Q:最近話題のヒートアイランド現象って何?
A:都市の気温が周辺より高くなることです。
都市は周辺より気温が高くなり、これを熱の島、ヒートアイランドと呼びます。これは、エアコンや自動車、さらには人間そのものが熱を出すこと、コンクリートが効果的に熱を溜め込むこと、植物が少ないため蒸散による冷却が少ないことが原因です。

Q:緑化でヒートアイランド現象は抑止できますか?
A:全面解決はできないが大きな効果があります。
都市緑化「だけ」でヒートアイランド現象を解消することはできません。しかし、緑化はヒートアイランド現象の緩和に大いに役立ちます。
また、室温が低下するため、夏の不快さが和らぎます。

Q:緑化の方式による省エネ効果の違いは?
A:森林が最大だが芝生でも十分有効です。
植物が多いほど効果は高くなりますが、芝生でも十分な省エネ効果が得られます。これに対し、昼間の蒸散が少ないセダム緑化では、省エネ効果は少なくなります。しかし、セダムでもわずかな断熱効果はあるため、省エネ効果はゼロではありません。

Q:緑化でどれくらい電気代が減るの?
A:条件により異なりますが、最大でクーラー不要に。
部屋の広さなど条件により大きく異なるため、具体的に「何円」と示すことはできませんが、鉄筋コンクリート(マンション・学校・病院でよく見られる)の建物で実験したところ、6畳間ごとに1kWの冷却効果がありました[1]
外断熱工法ではない建物の場合、緑化により20℃も室温が下がることもあります。

[1]6畳間ごとに1kW
愛媛大学農学部の仁科弘重教授の実験によるデータ。

Q:緑化による輻射熱削減効果とは?
A:外壁の温度が下がり、赤外線の放出が減ります。 緑化により天井や壁の温度が低くなるため、輻射熱すなわち赤外線の放出量が減り、体に感じる不快な暑さを和らげます。
壁がため込む熱量が大幅に減るため、クーラーの効きが良くなります。

Q:冬はよけいに寒くなったりしない?
A:植物や植栽基盤が断熱材となり、夜間の放射冷却現象を押さえるため、理論上冬はむしろ暖かくなります。
実際の建物では窓等があるため、必ずしも暖かくなるとは限りませんが、以前より寒くはなりません。

Q:緑化による洪水緩和機能とは?
A:雨水の流出を遅らせ、都市型水害を防止します。
雨水が植物や基盤(土でも竹マットでも)を通過するのにかかる時間だけ、雨水の流出を遅らせます。これにより、集中豪雨による洪水を軽減することができます。

Q:緑化すれば大気が浄化されるの?
A:大気汚染物質を吸収します。
植物が大気汚染物質、すなわち窒素酸化物・硫黄酸化物・粉塵を吸着するため、大気が浄化されます。ただし、あまりにも汚染がひどいと植物が枯れてしまいます。

Q:緑化すれば騒音が減るのですか?
A:正直言ってあまり効果は大きくありません……。
音は植物に吸収され、また心理的な効果があるため植物により騒音が減少します。しかし、一般の建築物で可能な低木や芝による屋上緑化、つる植物により壁面緑化では、騒音を完全に止めることはできません。

Q:緑化による建造物保護機能とは?
A:日光・外気・熱の影響から建物を保護します。
緑化により直射日光や外気が遮られるため、建物表面の劣化が抑えられます。ただし、材質によっては湿気や植物の根によりかえって劣化が進む場合があるため、適切な工法が不可欠となります。

Q:緑化による野生動物の誘致効果とは?
A:部屋からバードウォッチングが楽しめます。
緑化により昆虫や鳥を呼ぶことができ、部屋からバードウォッチングが可能になります。ただし、鳥や昆虫を呼びたくない場合は、餌や生息場所とならない植物を選ぶことも可能です。

Q:緑化による癒し効果とは?
A:心理的効果は大きい。
定量化は困難なため未知の部分が多いものの、緑化によるリラックス効果、園芸作業によるリハビリ効果の存在は広く知られています。

Q:地上緑化と比べた屋上・壁面緑化の問題は?
A:特殊な環境なので要注意。
屋上・壁面は一般に日当たりが良好ですが乾燥しやすく風が強くなります。 また、建物とじかに接するため、植物の存在が建物に悪影響を与えないよう留意する必要が有ります。

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